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類似した地域の公示地等を探す

2019年10月24日「木曜日」更新の日記

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比較しようとする公示地等が同一の近隣地域内にない場合,近隣地域外であっても,対象地と価格水準の同程度の地域にある公示地等と比較する以外にない。しかし,対象地の価格がわからず,その価格を求めるために比較するのに適当な公示地等を探しているのである。対象地と価格水準の同じ公示地等など,初めからわかるはずがない。その手がかりとして,まず対象地の近隣地域とできるだけ似ている地域,すなわち類似地域にある公示地等を探すことになる。たとえば、大手のデベロッパーの造成分譲した同程度の規模の分譲団地で,道路幅員や各画地の面截が同じくらいであって、最寄駅からの方向が違っていたり、最寄駅は違うが、駅からの距離は同じくらいというような団地はよくみかけられる。これらの団地をそれぞれ類似地域ということができる。また,人工的に造成した団地でなくても,ある鉄道の沿線沿に似たような住宅街が自然発生的に形成されていることがよくある。こういう住宅街を相互に類似地域という。なぜ類似した地域の公示地等を探すかといえば,比較しやすくするためである。大手のデベロッパーの整然と区画された造成団地で、一区画180m程度の宅地を探している人に,雑然とした住宅街で90m?程度の住宅地を,価格が安いから買いなさいとすすめても,すぐには切り換えられるものではない。やはり,足をのばし、時間をかけても,類似した宅地を求め続けるであろう。その人にとっては,90m?程度の雑然とした住宅地は比較の対象外であるのだ。これは,ある特定の人についてだけいえることではなく、住宅を求める多くの人がいて,そういう人々が類似の特性をもった住宅地を比較して,その中から価格と品質等を検討して,土地を購買し,住宅を建築しているのである。また逆に,雑然とした住宅地の90mmの土地を求めている人々に,整然と区画された180mの土地をすすめても,土地にそれだけの資金をつぎこむよりも,土地は90mでいいから、土地代を節約して早く家を建てたほうがいいとか,節約した金を貯金したほうがいいとかいうであろう。そういうようにして,区画整然とした大団地の180mlの土地と,雑然とした宅地の90mの土地とは、需要者の層が異なっており,それぞれ異なったマーケットを形成しているものである。したがって,地価の形成の仕方も異なっている。だから,地価を比較しようとすれば,類似している住宅地域と住宅地域との相互間のほうがわかりやすい。そういう意味で,類似地域の公示地等を探すのである。

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