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同一需給圏内にすある類似地域

2019年10月25日「金曜日」更新の日記

2019-10-25の日記のIMAGE
しかし、類似していれば、どこでもいいというものではない。東京の新宿のオフィス街に通勤している人が,田園都市線の「たまプラーザ駅」あたりの住宅地を探して,なかなか気に入る土地がなかったり,気に入っても価格の面で手が届かなかったとする。そういうときに,その人の求めていた住宅地に全く類似し、そして価格も手頃だという土地が成田市の郊外にあって,それをすすめたとしても,その人は見向きもしないだろう。それは,その人の需要する地域外にあるからである。逆に,その人に「たまプラーザ駅」から少し先の「背葉台駅」あたりの類似した住宅地をすすめたら食指を動かすであろう。その人にとって,「たまプラーザ駅」あたりも,「青葉台駅」あたりも同一の需給圏にあり,成田市近郊の土地は,その人の需給圏の外にあるからである。これを,供給される土地の側からみると,「たまプラーザ駅」あたりの住宅地と,「青葉台駅」あたりの住宅地とは,これを求める需要者の層が同じだということであり,成田市近郊の土地を求める需要者の層は別であるということである。「たまプラーザ駅」あたりの住宅地と,「青葉台駅」あたりの住宅地とは「同一需給圏」にあるといい、「たまプラーザ駅」あたりの住宅地と,成田市近郊の住宅地とは異なった需給圏にあるという。いま説明をわかりやすくするために、東京近郊の田園都市線沿線の住宅地と成田市近郊の住宅地とを比較した。しかし田園都市線の「たまプラーザ駅あたりの住宅地と,西武池袋線の「西所沢駅」あたりの住宅地,東武伊勢崎線の「春日部駅」あたりの住宅地,総武線の「津田沼駅」あたりの住宅地,これらが東京都心からの通勤時間がほぼ同じくらいだからといって,同一需給圏であるかないかは、なかなか判定しにくい問題である(一般には、住宅地について,これらの間は同一需給圏とはいえないと考えてよい)。しかし実務上,同一需給圏内の類似地域にある公示地等を探す場合には,同じ鉄道沿線の同じ駅の周辺の公示地等のある地域で,対象地の所在する地域と類似した地域を探し、なければその隣の駅の周辺、それでもなければそのつぎの駅の周辺と探していけば、大体見つかるようになっている。そして,それと比較すればよい。ここでくれぐれも注意しておきたいのは,比較する公示地等がただ対象地に近ければよいというものではない。同一需給圏内にあって,かつ類似地域になければならないということである。

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