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工場建設のときの土地評価

2019年10月29日「火曜日」更新の日記

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工業地はどのように評価すればよいか。工場建設のために土地を取得する場合は,その土地をその価格で買収し、工場を建設して生産した場合に,土地買収に係る投資や土地の維持費なども含めての原価計算をして,その生産物のコストで採算が合うかということが、工業地の価格の決め手になる。採算が合わなければ断念せざるをえない。そして,工場の場合,一般に大規模の土地が必要であり,工場の生み出す純収益に対して非常に多くの土地を必要とする。逆にいえば、工業地の1m2当りの純収益は極めて低いのが一般である。だから,工場用地というものは,相当に低い価格でなければ成り立たない。しかし,そういう地価の低い土地は東京近郊ではあるはずがないから、いきおい栃木県なり茨城県の奥の方に求めざるをえなくなっている。そのような工場建設のための工場用地については,それぞれの付近の公示価格と比較して評価することができるところで,この京浜工業地区の土地を上記の価格で買って新規に工場をつくったとしたら、工場としての採算は成り立つであろうか。それは,とても困難だといわざるをえないだろう。また逆に,これらの工場が工場としての採算が成り立つ価格で,その土地を売るだろうかと考えても,よほどのことがない限り売ることはない。工場の場合、土地の価格に比して,ほう大な建物、構築物、機械装置を設備しているので、工業地としての土地だけの価格で売ったのではその機械装置等の移転費等をどうするかという問題が生じるからである。

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