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リート対電力株

2019年11月17日「日曜日」更新の日記

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一九九四年に私は公益事業株に関連して、リートの人気についての非公式な調査を行った。 一九九四年四月のバロン辞典のミューチュアル・ファンドの項によると、七一のファンドが公 益事業株に投資するよう特別に設計されていたが、不動産株にはたった一一のファンドだけだ った。これらの公益事業株の総資産価値は一五三億ドルだったのに対して、リート株のそれは 一二・七億ドルにしかすぎなかった。そして、五つの公益事業株ファンドのそれぞれは、一一のリート株合計よりも大きかった。 このように、歴史的には、リートに比較して公益事業株はよりポピュラーな投資であった。し かしこの状況は急速に変わりつつある。多くのアナリストが公益事業株に期待するのは、それらの収益がせいぜい、インフレとペー スを合わせることぐらいである。一九九六年四月のロスアンジェルス・タイムスの記事「未亡人と孤児のための安全な公益事 業株は過去の物語かもしれない」は、長い間最も安全な投資とみなされてきた公益事業株が、 今やそうではないかもしれない、ということを教えてくれた。リポーターのトム・ペトルノは、 規制緩和のためか、激しくなる競争のためか、あるいは多様化のまずさのためか、公益事業に とり、時代は変わってしまい、一般的に今後良くなることはない、と観察した。たしかに、ずっと以前の頃よりも最近の方が電気事業には多くの関心があるが、プルーデン シャル・リアル・エステート証券のロバート・マコノーフィーは、「M&Aの対象になったり、 株価が安いという理由で、過去には公益事業株の株価が騰貴したが、規制緩和に直面して、こ の産業がかかえる答えの出ない多くの問題が存在する。電力会社の本当の価値とは何なのか」 と語った。「エンロンモデルで市場が進化したら。電力が最低の発電コストでオープンに取引されたら」 と彼は考える。人々は公益事業を知っている。彼らは公益事業を信頼している。しかし、それ らはリート以上に良い投資対象か。答えはノーである。

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