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インフレーション

2019年11月20日「水曜日」更新の日記

2019-11-20の日記のIMAGE
これを書いている現在において、神のおかげか、連銀のおかげか、軍隊のおかげかわからぬが、まだインフレは問題になっていないが、だれもそれを確信しているようには思えない。現 在ですら、賃金インフレが市場をパニックに追いやることはありうる。金利が最終的には上が ることが避けられないようにみえる。公益事業は莫大な借金を抱えており、金利上昇には特に 弱い。規制当局は公益事業の費用のある部分を利用者に転嫁することを認めるが、これは常に、 金利上昇よりかなり遅れて利用代金の値上げを伴う、追っ駆けごっこである。市場に期待している投資家は、公益事業株を金利に対してかなり敏感なものにしてしまった ので、ある特定の日の公益事業の株価は、実際の金利上昇の影響が及ぶまでには若干の時間が あるとはいえ、当該日の金利とは逆の動きをするようにすらなっている。かくして、公益事業 株は、インフレの期待につれて値を下げる、あたかも固定金利の証券のように取り扱われている。 一見すると、リートも公益事業と同じ状況にあるように思われるかもしれない。つまり、 リートもかなりの金額の負債を抱え、しばしば借金をする。しかし、違いは、リートに関する 投資家の見方が、「かれらは主に不動産会社であり、その基礎的な価値はインフレとともに上 昇する」という点にある。したがって、その価格は金、石油、現物不動産――それは商業空間に対する需要と供給が均 衡している状況においては、しばしばインフレ・ヘッジになるとみなされている――の価格と ともに、しばしば変動する。 さらに、今日のトップクラスのリートは、変動負債を相対的に僅かしか持っていないので、 短期間において金利上昇により強い影響をうけることは あまり考えられない。

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