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プライベート・パートナーシップとリミテッド・パートナーシップ

2019年11月28日「木曜日」更新の日記

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プライベート・パートナーシップによる所有形態 ――パートナーが二人の場合であろうと、 一〇人の場合であろうと、二〇人の場合であろうと――は、実際そんなに良いものではない。 ここでは、投資家は、不動産のリースと経営の権限を、ゼネラル・パートナーまたは外部の会 社に、もちろん有料で、委任する。しかし、通常のこの形態では、物件を一つか極めて僅かしか所有しないので、物件のタイプ や所在地に多様性がほとんどない。この形態においては、流動性は投資家のパートナーの金銭 的な支払い能力にしばしば依存する。あるパートナーの持分(パートナーシップ)を、基礎と なっている不動産の売却と連動せずに、他のパートナーに売却することは理論的には可能ではあるが、現実的にはそのようにはなっていない。また、この形態においては、ゼネラル・パートナーとリミテッド・パートナーの間の利益相 反が、特に報酬に関してか、あるいは、物件の売却やリファイナンスの意思決定について、発 生しやすい。最後に、パートナーシップが金銭的トラブルに陥ったとき――最近は、しばしば発生してい るに、パートナー個人の債務負担の問題がある。リートとリミテッド・パートナーシップの間には違った世界が存在する。 リミテッド・パー トナーシップの一九八〇年代の主導者は、流動性を備えた不動産所有のメリットを探していた 投資家から、何一〇億ドルという資金をむしり取った。その間何も疑わない投資家は、一ドル あたり二〇?三〇セントしか戻ってこなかった。リミテッド・パートナーシップの失敗の原因はいくつかある。あるときは、手数料が高すぎ て最終的なオーナーたる投資家には利益がなかった。またあるときは、不動産の市況サイクル において購入した時期が遅すぎた。過大に高い買い物をした後で、かれらは凡庸なマネージャ 1――特に一九九〇年代においては、そして、現在もそうであるが、不動産は極めて経営能力 依存型ビジネスであることを理解しなかった――を採用したのだった。 またあるときには、リミテッド・パートナーシップは、ゼネラル・パートナーとの利益相反、投資家の損失の問題を抱えていた。 これらが、リミテッド・パートナーシップとリートの大きな違いであり、詳細は後述する。

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