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承諾料の額は貸主が自由に決めてよいか

2019年12月5日「木曜日」更新の日記

2019-12-05の日記のIMAGE
しかし、転貸や借地上の建物の増改築についてはすべて貸主の承諾を要するということになると、高額の承諾料をふっかけられそうな気がしますが……。■裁判所に代諾許可を求める借地人側がいくら頼んでも、どんなに承諾を必要とする事情があっても、地主がウンといわない限り、絶対にこれらの行為ができないとすると、承諾料は法外なものに吊り上がる可能性があります。また、更新拒絶や明渡し請求が容易なことでは認められない恨みを地主がここで晴らそうとし、その結果、借地人の立場や利益が不当に害される恐れも出てきます。そこで借地人には、①土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき、当事者間で協議がまとまらないときや、②増改築を制限する旨の借地条件があるときは、裁判所に対して「地主の承諾に代わる許可」(代諾許可ともいいます)を求めることができるようになっています(借地借家法一七条二項)。■借地非訟手続きをとるまた、地主が承諾しないことはないが、その承諾料の額でどうしても地主と借地人との話合いがつかないという場合にも、裁判所の判断を仰ぐことができるようになっています。これらの手続きを借地非訟手続き(川ページ参照)といいます。ただし、この非訟手続きは借地関係についてしか存在せず、借家契約についてはこのような手続きはありません。ですから、借家権の譲渡、転貸、借家の増改築などは家主がウンといわない限り、借家人は絶対にすることができないのです。借家人がどうしてもそのような行為をしたいと思うなら、地主がウンというだけの高額の承諾料を提供するしかありません。それでも家主が承諾しなければ、結局あきらめるより他ないでしょう。

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