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地主に無断で借地権を譲渡したらどうなる②

2019年12月7日「土曜日」更新の日記

2019-12-07の日記のIMAGE
つまり、判例は民法六一二条が解除を認めた理由は、賃貸人の大事な財産を賃借人に賃貸したのは信頼関係に基づいているのに、賃借人が無断で第三者に溌渡・転貸するのは信頼関係を破壊する背信行為であると考えるからです。したがって、無断譲渡・転貸行為があっても、信頼関係の破壊に至らない特段の事情がある場合には、民法六一二条にかかわらず解除ができないとの立場をとっています。借地権の無断譲渡・転貸があっても地主と借地人との信頼関係が破壊されたとはいえない、というための特別の事情は、借地人の側で主張・立証しなければなりません。判例上、信頼関係を破壊しない特別の事情が認められたケースとしては、次のようなものがあります。①借地人が個人経営を法人組織に改めたが、その実態に変更がない場合の借地上の建物登記名義変更②譲渡人・譲受人または転貸人・転借人の間柄が同居の親族その他特殊な関係にある場合③無断譲渡・転貸行為が一時的であって既に終了していたり、譲渡・転貸が僅少部分についてである場合ただ、そうはいっても①程度の場合はともかく、②や③に該当する場合の無断譲渡・転貸行為については信頼関係を破壊すると感じる地主が多いでしょう。①、②、③程度の事例ならいつでも借地人が保護されるというわけではもちろんありません。

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