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借地権譲渡の承諾は必ずしなければならないか①

2019年12月9日「月曜日」更新の日記

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地主です。借地人が「借地上の建物を第三者に売却したいので、借地権譲渡の承諾をしてほしいLといってきました。しかし私としては、今度結婚して独立する息子にその土地を使わせたいので、これを機に土地の明渡しを求めたいと思っています。借地権譲渡の承諾は必ずしもする必要がなく、無断譲渡に対しては契約を解除できると聞きましたが、本当でしょうか。それが本当なら、承諾せずにこのまま放っておくほうがいいでしょうか。■放っておくと非訟手続きに持ち込まれるたしかに、借地権の譲渡を承諾するか否かは地主の自由です。そして地主に無断でなされた借地権譲渡については契約解除の理由にもなりえます。しかし、無断譲渡があったからといって、必ずしも契約の解除が認められるとは限りません。前問で述べたように、借地契約の解除が認められ土地明渡し請求が認められるためには、無断譲渡が信頼関係を破壊するに至る程、重大な背信行為であったと認定されることが必要だからです。とくに、借地契約の際に多額の権利金が地主に支払われた場合や、借地人が譲渡承諾料等の支払いを申し出て誠意を尽くしているのに、地主がこれに正当な理由なく応じない場合、あるいは借地権譲渡を認めることがそれほど地主に不利になるわけではないというような場合には、無断譲渡だけを理由とする契約の解除は認められないと考えたほうがよいでしょう。それに借地権の譲渡については、地主の承諾に代わる裁判所の許可の制度(代諾許可)がありますので、あなたがどうしても承諾しないで放っておけば、借地人は必ずこの代諾許可を裁判所に求める申立てをするでしょう。

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