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借地権譲渡の承諾は必ずしなければならないか②

2019年12月10日「火曜日」更新の日記

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その非訟手続きの過程であなたは和解をすすめられるでしょう。もし、あなたがそれに応じなければ、建物および土地の賃借権の譲渡を自ら受けるか、つまり建物および借地権を買い取るかどうか一定の期間を定めて回答を求められることになります。■莫大な額になる借地権価格その価格は、建物および借地権の適正な価格ということになります。それは建物の時価プラス借地権価格から借地権の譲渡承諾料を引いた額になるのが一般的です。借地人は代諾許可が出て第三者に借地権を譲渡できることになった場合、借地権価格の一○%前後の承諾料を地主に支払うよう命ぜられるのがふつうなので、借地権を移転する相手が地主であればその分を買取価格から差し引くのが妥当だからです。したがって、自分が自分の土地の借地権を買い受ける場合でも、「適正な価格」というのはかなり高額になります。なにしろ借地権価格は更地価格の五○?九○%にもなり、たとえ借地権価格の一○%の承諾料を差し引いても莫大な金額になるわけです。あなたがこのような莫大な金額で借地権を買い取ることはできないというのであれば、裁判所は恐らくあなたの承諾に代わる許可を出すものと思われます。■多額の出費なしに明渡しは要求できないただし、その際には、借地権の譲渡を認めても地主に不利になることはないかどうか、賃借権の残存期間、借地契約の従前の経過、譲渡を要する事情等の一切の事情が考慮されます。譲渡の相手方が暴力団員や風俗営業者、破産者などではないかどうかも考慮されます。また、譲渡に当たって、地代値上げ等の借地条件の変更を認めたり、借地人に対して借地権価格の一○%前後の承諾料の支払いを命じたりすることになります。なお、結婚する息子に土地を使わせる必要があるというのは、それだけでは蛍ず明渡しを求める正当事由にはなりえません。したがって、多額の出費をすることなくこの土地の明渡しを求めるのは無理な相談といってよいでしょう。

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