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″譲渡承諾付き“の借家契約とはどんなものか

2019年12月29日「日曜日」更新の日記

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借家契約の中には〃譲渡承諾付き″のものを時々見かけることがありますが、これはどんなものなのでしょうか。譲渡承諾付き借家契約は繁華街の飲食店用店舗などによく見られる家主が借家権の譲渡・転貸について承諾をすれば、借家人は借家権の譲渡・転貸を自由に行うことができます。家主はこの承諾を事前に与えることも可能です。建物の賃貸借契約の中には、家主のこの事前承諾が付いているものがあります。とくに、都心の繁華街における飲食店の賃貸借契約にはよく見られます。これらの契約の狙いは、譲渡についての事前承諾を与えて借家権の譲渡を可能とすることにより、借家権自体の財産的価値を高めることにあります。借家人は万が一、短期で賃貸借契約を終了させても、内装設備・造作等の多額の投資が必ず回収できることになりますし、家主としても当初は譲渡性を付与する見返りとして高い権利金を取得することができ、その後も借家人が替わるたびに譲渡承諾料が入るようにしておけば、賃借人が出ていくたびに原状回復やら賃借人の募集やらといった煩雑な手続きをしないですむことになり、実に好都合といえるわけです。このような都心部における譲渡承諾付き借家権の財産的価値は、地価の高騰に比例して上昇し、高額な価格で取引きされています。漣受入が承諾料を支払うことが多い借家権の譲渡の際に支払われる家主への承諾料(名義書替料)は、全国的に見れば賃料の一?二カ月分程度が相場ですが、都心部の繁華街における譲渡承諾付き借家権はその承諾料も高額で、借家権の譲渡代金の一○?一五%の例が多くなっており、当初の賃貸借契約にその金額まで明示されているのが通常です。承諾料は、借家権を譲り受けた者が直接家主に支払うことが多いようですが、本来は譲渡を認めてもらう借家人(譲渡人)が支払うべきものですから、譲受人が譲渡人名義で支払うよう取り決められている例が多いようです。

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