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抵当権抹消の費用について

2020年1月31日「金曜日」更新の日記

2020-01-31の日記のIMAGE
抵当権の設定されている土地・建物を売却する場合は、抵当権を抹消してから引渡しをするというのが、通常の取引である。この場合、抹消のために返済した借入金そのものは譲渡費用にならないのは当然であるが、抹消登記に係る登録免許税や司法書士への報酬は、譲渡費用に含まれるか、要するに譲渡に直接関係する費用であるかについては、微妙な問題が残る。これについて、東京国税局では、抵当権の抹消が売買のときの条件として明示されていれば譲渡費用に該当するという見解をとっている(「納税通信」平成3年11月5日号)。古来、利子に対する世間の風当りは強いようである。ヴェニスの商人にしても、金色夜叉にしても、貸金と利子は悪役として登場してくる。生物の特徴は、分裂繁殖にせよ、有性生殖にせよ、自己と同一の個性を生みだし、いわゆる自己増殖をするところにあり、これは生物だけの特権とされている。なのに、シャイロックが牡羊にたとえて宣言したように、金も利子を生み、利子もまた利子を生むという自己増殖を行う。生物でもないものが、生物に似たようなことをする。それが利子を異様な存在、魔性に近いものと感じさせるのかもしれない。ところで、所得税では、同じ利子でも金融機関に預けた金の利子は利子所得、友人に貸した金の利息は雑所得に分類される。そして、利子所得に分類されると、銀行から受け取った利子が全額課税対象となる。銀行に預金しに行ったときのバス代などの必要経費は引いてくれない。銀行から金を借りて、歩被・両建等で預金させられたときの受取利子でも、これから借りた方の支払利子を引くことはできない。しかし、雑所得に分類される利子は、必要経費を引くことが認められている。なんとなく、不思議な制度である。

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