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相続税対策と所得対策の二つを考える

2020年2月13日「木曜日」更新の日記

2020-02-13の日記のIMAGE
"相続税を軽くしたうえで生活資金も確保 【状況】 自営業を経営していた夫が亡くなり、相続税一八〇〇万円を納めなければならなくなった。 所有している三〇〇坪の駐車場の一部を物納すれば納税できるが、会社を閉鎖したため、残さ れた妻の収入源は駐車場だけになるので、その後の生活資金も確保したい。 【対策】 成功事例集――こうして相続を乗り切った このケースでは、相続対策と所得対策を同時に解決することが必要でした。 駐車場の物納評価額(相続税評価額)は七〇〇〇万円で、たしかに所有する土地の一部を物 納すれば、納税の問題は解決できます。しかし、さらに積極的な対策が可能だったのです。 現状、駐車場からの収入では十分な生活資金が確保できないので、駐車場に賃貸マンション を建設して賃料を収入源とし、さらに相続税対策を講じることにしました。駐車場をやめて賃 貸マンションにするのは、「面積当たりの収益性は、地代より家賃のほうがはるかに高い」からです。まず、すべきことは、マンションの建設費が大きな負担にならないように、建設費の一 部を充当するために、相続税額以上の価格で駐車場の一部を売却することでした。 駐車場のうち一〇〇坪を、物納評価より高い三〇〇〇万円で売却することができました。こ こから相続税と譲渡税を納めて残った九〇〇万円をマンションの建設費の一部に充当します。 マンション建設費は二四〇〇万円で、不足分一五〇〇万円を借り入れました。 土地の売却代金については「土地売却に係わる取得費加算」を利用し、納めた相続税を譲渡 所得の経費に計上することができたので、譲渡税が大幅に軽減されました。 〔相続財産に係わる譲渡所得の課税の特例】相続等により土地等を取得した者が、相続開始 の日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後三年を経過する日までに、その土地等の うちいずれかを譲渡した場合には、別掲図下の式により計算した金額を、その譲渡した土地の 取得費に加算して、その譲渡所得を計算上控除することができます。 このケースでは相続資産がほとんど不動産だったため、譲渡所得から相続税額一八〇〇万円 が控除されるため、実質的な譲渡所得は一二〇〇万円になり、譲渡税は三一二万円に軽減でき ました。【効果】それまでの収入は駐車場(五〇台)から六〇〇万円で、諸経費二〇〇万円(固定資産税、管理費)を差し引いて、不動産からの年間所得は四〇〇万円でした。今回、一〇室の新築マンションにしたことで収入は一四〇〇万円に増え、諸経費六〇〇万円を差し引いても年間所得は八〇〇万円と二倍になり、十分な生活資金が確保できました。 -ポイントは建築コストをできるだけ抑えることで、賃貸マンションであれば坪四〇万円の建 築費で十分です。また、高い入居率を確保するために大手賃貸不動産会社と借り上げ保証の契 約をします。保証料分だけ家賃収入が減りますが、空室の心配がなくなるので、結果として安定した利回りになります。 もう一つは、建設資金を全額借り入れないことです。返済額が大きくなると、収入を圧迫し、 空室が多くなると持ち出しになる可能性もあります。賃貸住宅を建設するときは、できるだけ自己資金を用意すべきです。"

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