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資産の組み換え収益性の低い駐車場を高収入のオフィスビルへ

2020年2月21日「金曜日」更新の日記

2020-02-21の日記のIMAGE
"満室でも赤字経営になっている物件を選ぶ 【状況】 東京郊外で駅からバス便という場所に三〇〇坪(時価一億八〇〇〇万円)の土地を持っている。駐車場にしているが収益性が低いので、アパートを建てたいと思った。しかし、周辺のアパートを調べると空き室が多くなっている。大きな借り入れをせずにできる土地活用の方法はほかにないか。 【対策】 現況のまま有効利用に乗り出しても、投資に見合う収益は期待できません。そこで、収益性が低い資産を、収益性が高い資産へ組み替えることにします。 駐車場を一億八〇〇〇万円で売却し、東京都心のオフィスビルを一億八〇〇〇万円で購入します。物件が見つかってから資産を売却しようとしても、予定した価格で売れるかどうかわか りません。確実に売却できてから、購入物件の売買契約を結ぶほうがリスクは少なくなります。 事業用資産の買い換え特例を使えば、譲渡所得税を削減することができます。譲渡所得税の 支払いが不足するときは、自己資金か不動産収入の範囲内で返済可能な短期の借り入れをしま す。 【効果】 駐車場収入は年間四五〇万円で土地評価一億八〇〇〇万円に対する利回りは二・五パーセントでした。 オフィスビルの賃料収入は年間一五〇〇万円あるので、投資利回りは八・三パーセントになります。経 費や固定資産税を差し引いた手取り金額も三五〇万円から一五〇〇万円と四倍以上になりまし た。 資産組み替えのポイントは、収益性が高い不動産物件を見つけることです。収益性を上げるための資産組み替えは土地の値上がりを期待するのではなく、建物の賃料から確実な利回りを求める方法です。ですから、すでに満室になっているオフィスビルや賃貸マンションを選ぶことがポイントになります。納得できる物件を見つけるまで、ある程度の時間がかかってもかま いません。 逆に考えると、なぜ高収益なのに売却する人がいるのかという疑問が出てきます。ここが高 収益物件を見つけるノウハウになります。オフィスビルの中にはバブル時に高い建築資金を調 達するため全額融資を受けてビルを建て、その後、賃料が下がったため満室になっていても赤字経営になっているケースが数多くあります。倒産や赤字部門の整理で、こうした物件が売りに出るのです。しかし、大々的に広告をしなくても売れることはわかっているので、一般の物件情報には出てきません。情報を多く持っている信頼できる専門家に相談することをお勧めし ます。 ・建物の評価は外見だけで判断するのはむずかしく、建築後、間もないのに大規模な改築工事 が必要になることもあります。建物診断士にきちんと鑑定してもらい、将来の修繕計画も立て ておく必要があります。また、居住者の中に賃料未払いがあれば利回りが下がるし、暴力団関 係者がいたりすると入居率に悪い影響を与えます。こうした点は、賃貸契約書の閲覧だけではわかりませんから、しっかりした調査が不可欠です。 この資産の組み替えは、相続税の節税効果もあります。 組み替え前は駐車場の相続税評価額は更地評価になるので三億五〇〇〇万円と時価を上回っていました。組み替え後の土地は貸家建付地になりますし、しかも小規模宅地の評価減の適用 があり、建物は貸家なので固定資産税評価の七割評価になるため、ビルと土地の評価は一億五 〇〇〇万円になり、相続税額は大幅に減ります。 このケースでは賃料の範囲で相続税が納税できるので、納税予定地や納税資金を前もって確 保しておく必要もなくなりました。"

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