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崖崩れの損害と防壁費用は誰が負担するか

2020年3月15日「日曜日」更新の日記

2020-03-15の日記のIMAGE
Q私の所有地(A地)は、隣地(B地)の崖下にあります
崖の高さは二○メートルで、約五○度傾斜しています
ところて、いまから三か月前、X号台風による水害のため、B地の土砂約一五○立法メートルが崖崩れして、A地に流れ込み、私の建物が倒壊し、私は負傷しました
B地の所有者はB地が区画整理による仮換地てあることさえ知らないといっています
損害賠償や、土砂の撤去、防壁の設備などをB地の所有者に瀦求てきるてしようか
▼崖崩れの危険性潔識の有無によるまず第一に損害賠償の請求ができるかどうかを考えてみましょう
あなたは、B地の崖崩れによって、身体に傷害を受け、かつ、建物を損壊されたわけですから、その損害賠償を請求したいというのは当然であると考えます
そして、B地の所有者は土地所有権者として、当然、防災上の措置をとるべき義務があったものと考えられます
しかし、B地の所有者は、本来この土地の所有者でなく、区画整理の結果、仮換地の指定を受けたばかりであること、そして、その仮換地を受けたことを知らなかったという点に重要な問題があります
つまり、B地の所有者が、仮換地指定の事実さえ知らなかったとしたら、その土地に崖崩れの危険性があることを認識することができなかったわけなのですから、それに対する措置を講じなかったことに注意義務違反による責任lつまり過失責任を認めることができないからです
判例も、このような場合、「仮換地の指定や、その通知を受けたことを知らなかった者は、崖崩れによって隣地の居住者に損害を与えることを知り、またこれを予見しうべきものであったとはいえないから、損害賠償責任(民法七○九条)を負うとは認められない」という趣旨の認定をしました(東京高裁・昭和五一・四・二八判決)
▼土砂の搬出費用は謂求できる第二に、B地の所有者に対して、A地に流入した土砂の搬出費用を請求することができるかどうかを考えて見ましょう
事件の判例については、このような場合、当該地につき仮換地の指定を受けた者は、法律上、その土地所有者に準じる地位にある、だから、所有者としての責任により、自己の費用をもってA地に流入した土砂を搬出し、もとの状態に復する義務を負担する、と判定しました
ですから、あなたはB地の所有者に対して、①あなたの費用で土砂を搬出してくれ②とりあえず、直接、土木業者等に、土砂の搬出を注文し、それに要した費用を、あとから全額、B地の所有者に請求するという方法をとることもできます
②の方法をとった方が、早期の解決か期待できると考えられます

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