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「マンション管理士」創設で管理体制が充実(2)

2020年6月9日「火曜日」更新の日記

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管理組合の利益より委託してくれる不動産会社のいいなりになる管理業者、あるいは倒産する管理会社などが増え、管理組合から預かった管理費や積立金を持ち逃げする悪質な管理業者まで発生しているのだ。菱和ライフクリエイトのワンルームマンションの一貫した管理体制については、前述したとおりだが、「マンションを買うときには管理を買え」は事実なのである。そうしたマンション管理の実態を踏まえて、マンション管理の適正化をはかる法案が成立の見通しとなっている。法案は「管理組合による適正な管理を確保するための施策」として、マンションの適正管理指針の策定、管理組合、区分所有者による適正な管理に関する努力義務規定、国・地方公共団体による情報提供などの措置を講ずるとされている。従来、マンション管理の問題というのは個別性が強く、社会問題とはなりにくかった。しかし、長引く不況とマンションへの永住志向の高まりのなかで、管理費の使い方、管理業務の内容についての不信感が浮上したとみられる。同時に管理組合の支援策として運営を補佐・代行する国家資格「マンション管理士」制度が創設される。これはマンション購入者にとって画期的なことといえそうだ。「マンション管理士」の国家試験は年一回以上とされ、国土交通大臣の登録を受ける。登録の有効期間は五年。「マンション管理士」の位置づけは管理組合の運営や管理に関しての相談を受け、助言や指導を行うものとしている。「マンション管理士」に対しては、講習受講義務、秘密の保持、また法律の違反業者には登録を取り消す権限ももたせるということだ。同法案では、マンション管理会社の適正化のための措置として、マンション管理業者に対しては、国への登録の義務化、管理薬務主任者の設置、委託契約書面交付義務、情報開示などを盛り込んでいる。同時に「マンション管理士」にマンション管理に対する苦情処,理や情報提供、講習などを行う第三者機関「マンション適正管理推進センター」を指定し、自治体による相談機能の強化、支援機関の設置をする。「東京都の財政も困窮状態で新たな住宅投資ができないわけです。都営住宅や公団の分譲からも撤退しましたね。そうすると、おのずと民間主導にならざるをえないということになります。東京都は、今後規制緩和といまの「マンション管理士」制度の導入、資格試験をつくったり、そういうソフト面の投資をしていこうという考え方のようです。そういった意味で、われわれ事業者は、公共性を帯びてきたというか、行政のバックアップを得ながら、一体となって事業を押し進めていくという方向になっていくんじゃないかと考えています」西岡は東京都とマンション業界の関係をこう分析している。同社は子会社に管理会社をもち、行政と一体となってマンション、あるいは良質なストック形成に全力を注いできた。そうした意味合いから、管理についての自負がある。しかし、「マンション管理士」制度導入で、「管理」を拘束されることはどんな意味をもっているのだろうか。「管理組合員が直接住んでいないという性格上、ワンルームマンションでは、第三者である『マンション管理士』の存在は重要だと思います。しっかり管理されていないワンルームマンションが増えることは、ワンルームマンションそのものの価値を下げることにもなりかねませんから」同社では「マンションの適正管理指針」の策定、「マンション管理士」制度導入に諸手をあげて賛同している。マンション管理の主役は、いうまでもなく入居者であり、オーナ1だ。それをサポートするのが管理会社である。入居者、オーナーと管理業者の良好な関係を築くことにより適切なマンションの管理、補修が進み、マンションの質はさらに向上するだろう。それが将来的に良質なマンションストックの形成につながっていくことは、ひいては日本経済の将来にも影響をおよぼすことになるのである。

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