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アーバンマンションとしての未来像(4)

2020年6月15日「月曜日」更新の日記

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ご夫婦とも、独身時代にマンションをすでに買っていて、一軒は貸そうかというケースも増えています。結婚されても仕事を続ける方が多いので、結婚しても住みつづけられるワンルームマンションがあればよいでしょう。つまり、ワンルームマンションの面積を大幅に広げれば、新しいニーズを吸収できるのです。面積拡張、これが最大の目標です」西岡は金融商品であるワンルームマンション本来のシステムは維持しながら、ワンルームマンションへの多様なニーズも分析し、これに対応する方向にすでに動きだそうとしている。そのためには面積を広げたい。他社は設備の真似はできても、広さの真似、培ってきたノウハウの真似はできない、と西岡は考える。定年を迎えた人が趣味に生きる。あるいは人生の最後の仕上げをするために、文化環境の豊富な都心部という地の利を必要とすることも多いだろう。また、現代のように情報機、器に囲まれている時代では、一人になることはことのほかむずかしい。現代人にとって、一人になる場所を確保することは意外にも必要とされているのではないか。賃貸であれ、自分のものであれ、一人になれる隠れ場がほしいと願う人は案外多いと思われる。「もう一つの構想としては、ある程度の広さのワンルームマンションをつくって、共有施設を使って趣味が生かせる、たとえば、写真が好きな人が写真の焼き増しをする設備までつくってしまうとか。欧米ではそういうものが当たり前のようにあるそうですが、趣味を身近に生かせるようなワンルームマンションがつくりたいですね。ただし、ある程度規模のあるマンションでないと、こういう共有施設というのはつくれないのです」ワンルームマンションの話になると、西岡の口調は熱を帯びる。それを現実化するためには、西岡のいうとおり、規模も広さも格段に大きくする必要があるだろう。面積でいえば極端な話、五〇平方メートルといわず六六平方メートルのワンルームマンションがあってもいいのではないか。日本ではもともと、小さい部屋の集合体である家をつくってきたが、アメリカでは広い部屋を家具などで仕切って使っていることも多い。結婚しない独身者が増えている昨今、思い切って広いワンルームマンションをつくったら、思わぬニーズが掘り起こされるかもしれない。「広い部屋を稼働式の家具などで区切って自由に使う。これだとどんなライフスタイルにも対応できますから、転売する際の価値も高まると思うんです。都心部でいいものさえつくっておけば、販売価格も賃貸価格も絶対に下がりません」今後の住宅づくりに転売する際の価格を念頭におくことは前提である。一生に家は一軒という、一時代前の感覚は日本においてもすでに失われようとしている。ライフスタイルに合わせて自由に住み替える、あるいは増やす、買う、借りる、貸す、こうした住宅へのニーズの多様化が進む時代にあって、必要なことはまず「良質」で耐久性のある不動産をつくらなくてはならないということだろう。良質な不動産によって、はじめて流動化が可能となる。安かろう、悪かろうの時代はとうに終わったことを、不動産業界も消費者もあらためて認識すべきときが来たというべきだろう。同社のワンルームマンションを一0室以上買っている人がいるそうだ。「それなら自分でつくった方がいいと思うんですが」と西岡は笑うが、相続の問題などもからめて、こういう富裕層も今後増えていくことだろう。こういう層を対象として、ワンルームマンションを建て、企画から管理まで一貫体制の同社のノウハウを売る方向もあるだろう。菱和ライフクリエイトのワンルームマンション、いやアーバンマンションの未来像は無限のようである。

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