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二十一世紀初頭の店頭公開をめざす(2)

2020年6月17日「水曜日」更新の日記

2020-06-17の日記のIMAGE
ファミリーマンションの方は、竣工時期の関係で、まだ決算ベースでは数字が上がっていませんが、一年後にはそれなりのかたちになっていると思います」今期(平成十三年三月期)の業績予想は、売上高で一九〇億円、経常利益約一六億円、当期利益は約九億円を見込んでおり、過去最高の決算になりそうだ。期末の在庫数戸を残すだけとなり、今期中にはほとんど完売できる見通しだ。西岡の話によると、同社のバブル以降の焦げつき物件の処理は、すでに平成十一年に完了している。残務処理に十年間かかったというか、西岡にとってこれもデメリットばかりではなかったのではないか。この十年間にわたる残務処理によって菱和ライフクリエイトの足腰は十分鍛えられているはずだからである。残務処理が終わったことで後顧の憂いなく、西岡は新規企画の実現に、俄然、意欲を燃やしはじめた。すでに述べてきたように、西岡のなかには、新しい企画があふれんばかりだ。西岡のこの独特の経営感覚をいかに組織のなかに溶け込ませていくか。これが同社の今後の課題だろう。建設大臣免許を取得し、新たに総合デベロッパーとしての地位を築いたいま、戸建てヘの挑戦はないのかと水を向けると意外にも、「いずれは郊外に戸建てという構想もありますが、基本的な姿勢として、都心部のマンションを大切にするという考え方は変わりません」という返事が返ってきた。マンションに賭ける西岡の思いは、ことのほか強いのだ。「ゆくゆくは都心部と、たとえば式根島などの離島にセットでマンションをつくるという構想もあります。別荘にも税優遇がありますから、企画すれば求める方が多くいらっしゃると思うのです。これは当社だけでなく、マンション業界はいずれ、そういう方向にどんどん進んでいくんじゃないかとも思っています。そうなると常時居住していなくても掃除などができるようなシステムが必要となります。ホテルライクというような、そういう環境の整備についても構想を練っているところなのです」建設省では平成十三年度からスタートする住宅宅地政策に、都心部を快適な居住地として再生する事業を盛り込んでいる。マンションの快適性、個々のニーズへの対応と同時に、環境、あるいは都市づくりにも目を向ける必要は大であろう。環境整備のための管理、セキュリティ、駐輪場の整備、最近では棟内駐車場の配置、ヒートアイランド化を防ぐための屋上緑化など、同社ではすでに環境問題への取り組みにおパーセント積極的に参画している。「グレードの高い建物を街に建てることによって、その街のグレードも上がります」同社のマンションに使われている建設素材のよさは定評がある。建物のグレード化をはかるだけではなく、マンション周囲の植栽や建物のデザインや色彩を街並みに調和させる方向も知っている。高齢社会が進行する二十一世紀には、高齢者対応の都心部のマンションも視野に入れなければならないだろう。特に最近の現象としては、単身、あるいは夫婦だけで住まう高齢者が増加しており、高齢者対応住宅への対策も急がれている。「高齢者の方々が、都心での生活を希望されるケースは増えています。ですから、将来は高齢者の方々が安全に安心して暮らしができるようなマンションづくりに取り組めたらと考えています。ワンルームマンションのバリアフリーはすでに標準化していますが、面積を拡張し、ゆったりと生活できる空間にし、共有部分の設備を思い切って充実させ、その延長線上にケアもつけたいと思っています。フロントサービスを強化すれば、高齢者のセキュリティを含めた対応も可能です。究極には、診療施設をつけ、介護医療にも対応できる施設づくりに挑戦したいですね」店頭公開、ワンルームマンションの新たな位置づけ、ファミリーマンションへの構想、菱和ライフクリエイトは新世紀に向かって、さらなる飛翔を遂げようとしている。

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