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支払利息が減ってくるから

2020年6月28日「日曜日」更新の日記

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30年間にわたって元金返済額を下側に、支払利息を上側にして、それぞれの長期的な推移を把握するためのものです。まず元利均等返済方式のグラフでは30年間、毎年の返済額は等しいのですが、その内訳は異なります。支払利息は最初多くて徐々に減っていき、反対に元金返済額は最初少なくて徐々に増えています。なぜ、このようになるかと言えば、支払利息はその時点の借入金残高に利率をかけて求めるからなのです。頭がパニクってきましたか?借入金というのは元金を返済するにつれて減少していきますが、支払利息というのはその時点の借入金残高に利率をかけて求めますので支払利息は必ず減っていくのです。そして、元利均等返済方式というのは元金返済額と支払利息の合計額を等しくする方法ですから、元金返済額は最初少なくて徐々に増えていかざるを得ない運命にあるのです。したがって、元利均等返済方式の場合は借入金の残高がなかなか減っていかないのです。私の高校時代の友人で、今はある有名な大学の副学長(専門は経営学)をしているヤツがいるのですが、ある時私に質問してきました。「元利均等返済方式って、どういう仕組みになっているの?」私は経営学の教授たる者がそんなことも知らないのかと内心では思いながら、るる説明しました。彼は以前にマンションを買ったのですが、いくら返済しても借入金の残高がほとんど減らないことに大きな疑問を抱いたのだろうと思います。そうなのです。元利均等返済方式というのは最初は残高がなかなか減らない方式なのです。ただし、終盤にかけてはドンドン勢いよく減っていきます。一方、元金均等返済方式は元金返済額が毎回等しいので、非常に分かりやすい時間の経過と共に直線的に残高が減っていきます。ただし、支払利息は元利均等返済方式と同じく、その時点の借入金残高に利率をかけて求めますので、最初多くて徐々に減っていきます。その結果、各回の返済額は最初多くて徐々に少なくなっていきます。最初苦しくて徐々に返済が楽になっていくのです。何とすばらしいことか!!このようなことからデフレ時代はできたら元金均等返済方式のほうが良いかも知れません(ただし、利子補給のあるアパートの建築資金融資については、この方式を採用できないケースが多い)。このように、元利均等返済方式も元金均等返済方式も、その仕組みから支払利息は徐々に減っていくのです。全額を自己資金で建てた場合はそもそも借入金がないわけですから、このようなことはありません。無借金の場合は最初から不動産所得が多く発生するのです。なお、借金でアパートを建てた場合でも返済が終了すれば当然ながら支払利息はゼロとなります。ただし、この場合は元金の返済がないので、所得税が増えても手取収入は格段に良くなります。ところがなんと返済期間中、支払利息が減らない方式があるのです。その方式は人呼んで「アドオン方式」と言います。アドオンとは英語で「add-on」、つまり付け加えたもの、あるいは付加物と言います(よく分かりませんが・・・・)。この方式は要するに借入金を満期まで全然返済しなかったものと仮定して利子を計算し、その元利合計額を均等分割により返済する仕組みです。つまり、表示されている利率よりも実際の負担は大きいということです。自動車ローンではこの方式が多いようですが、意外とその仕組みは知られておりません。長期の住宅ローンとかアパートローンにはありませんので、ご安心ください。

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