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減価償却費が減ってくるから

2020年6月30日「火曜日」更新の日記

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建物とか附属設備は時間が経つにつれて、だんだんと古くなり、最終的に取り壊すことになりますが、新築した時から取り壊すまでの期間(これを専門用語で耐用年数と言います)で当初かかったお金を少しずつ経費にしていくことになります。この手続を「減価償却」と言い、また、経費に計上した額を「減価償却費」と言います。自宅の場合はいくら立派なものを作ろうが一切経費になりませんが、アパートの場合はかかったお金は全て経費にすることができるのです。ところで、減価償却の方法には定率法と定額法の2つの方法があります。以下、それぞれについて設例を設けてご説明いたします。(1)定率法・未償却残高(1年目は取得価額)に所定の償却率をかけて求める方法<計算式>(取得価額-前年までの減価償却費累計額)×償却率=未償却残高(2)定額法・文字どおり、毎年の減価償却費の額を等しくする方法<計算式>(取得価額x償却率)
定率法では最初多くて徐々に少なくなっていますが、定額法では全期間を通して同額になっています。このように、定率法というのは、できるだけ早い段階に減価償却費を多く計上したい人に適している方法であり、定額法は長期にわたって安定した経費を計上したい人に適している方法であると言えます。例えば、他に所得がほとんどない人で、アパートの収入を老後の生活資金に充当したい方は、長期に安定して経費を計上できる定額法が向いています。ところで、以前は建物本体についても定率法を採用できたのですが、現在は定額法しか認められておりません。ただし、附属設備とか構築物(門とか駐車場等)は現在でもいずれか有利なほうを選択できます。また、割増償却といって、一定の条件を満たしたアパートとか賃貸マンションについては当初、5年間、余分に償却できるという制度があります。余分に償却できるといっても、トータルの償却可能額は変わりませんので、この割増償却を使った場合は6年目以降は本来の償却費よりも少なくなるわけです。このように、定率法を採用したり、割増償却を採用した場合には減価償却費は徐々に減っていくことになるのです。また当然ながら耐用年数が過ぎれば基本的に減価償却費はゼロとなります。なお、支払利息の場合は減っていかざるを得ない運命にあるのですが、減価償却費の場合はこのように定額法を採用することにより毎期同額を計上することもできるという点で両者は若干異なります。また、減価償却費は支払利息と異なり、経費を計上した時点でお金が出ていくわけではありません。

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