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シルバーマンションの眼目は継続的なサービス提供(1)

2020年7月2日「木曜日」更新の日記

2020-07-02の日記のIMAGE
「老後の世話」というサービス付きのマンションの分譲は、いわゆる分譲方式による老人ホームの問題ということになります。老人ホームがこれだけ大きな問題となってきているのに、老人福祉法で若干の規制(第4章の3)がされているだけで、有効で厳しい法的規制が行われていないのは大きな問題です。老人福祉法第4章の3に定められているのは、有料老人ホームを設置しようとする場合の都道府県等への届出、任意加入団体としての有料老人ホーム協会の設置および同協会の業務内容の定め等に過ぎません。その余は、強制力のない自治体の行政指導に任されているばかりです。人間、誰しも、老齢になれば多かれ少なかれ体力も知力も衰えてきます。そうなれば、このような施設の運営や管理について、区分所有法にあるごとく入居者の自治に任せておけば足りるというわけにはいきません。このようなサービス・ケア付き分譲マンション方式により購入者が取得するのは、建物の区分所有権、共有施設や敷地に対する共有持分で、これらの面では一般のマンションの購入と代わりありません。しかし、このようなシルバーマンションの分譲契約関係は、単に、区分所有建物の売買という金銭と物の交換という一回限りの取引きに契約の主目的があるのではなく、「老後の世話」という継続的なサービスの部分に契約の主目的があるのです。区分所有法はいわば脇役にしか過ぎません。入居後の契約関係についても、継続的なサービス関係(食事の提供、健康管理、治療、介護など)が続いていきますので、そのサービスが不当に打ち切られたり、あるいはサービスの対価の支払いが遅れたり、入居者が要介護状態になって提供サービスの変更・打切りがなされたりといった、いろいろな問題が生じます。

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